『要するにって言わないで』尹雄大 著📚─セルフケアとは、自分の声を最後まで聞くこと

机の上に本がある。隣にはキャンドルと植物。

セルフケアという言葉を聞くと、どこか
「自分を整えること」「前向きになること」
そんなイメージを持っていました。

気持ちが落ち込んだら、
原因を考えて、対処法を探して、
できるだけ早く元の状態に戻そうとする。

それも大切なことかもしれません。
けれど、この本を読んで、
セルフケアの捉え方が少し変わりました。

「要するに」とまとめない

私たちは日常の中で、
無意識のうちに「要するに」とまとめてしまいます。

相手の話も、
そして自分の気持ちも。

「つまりこういうことでしょ」
「要するに、こういうことだよね」

そうやってまとめた瞬間、
本当はまだ言いたかったこと、
言葉にならなかった感覚が、
途中で置き去りにされてしまう。

この本は、
そんなふうに最後まで聞いてもらえなかった声が、
実は自分の中にもいるということを教えてくれました。

セルフケアは「変えること」ではなく「聞くこと」

セルフケアというと、

「ダメなところを直す」
「もっと良い自分になる」

そんなイメージを持ちがちです。

でも、著者の尹雄大さんはこう問いかけます。

自分をコントロールする前に、
まずその声を聞いてあげてはどうだろうか、と。

それは、
自分を甘やかすことでも、
現実から逃げることでもなく、

生きてきた中で負った傷に、
ケアとして触れること。

ジャッジせず、
正しさで裁かず、

「どうしてそう感じたの?」

と、静かに耳を澄ませること。

それだけで、
心が少し安心することがあるのだと、
この本は何度も教えてくれます。

自分に対して、独裁者にならなくていい

印象に残った言葉のひとつに、
「自分に対して独裁者のように振る舞ってしまう」
という表現がありました。

ちゃんとしなさい。
早く立て直しなさい。
そんなことで悩むのはおかしい。

気づかないうちに、
私たちは自分の内側に、
とても厳しい権力者を住まわせているのかもしれません。

でも、
セルフケアとは命令ではなく、対話。

横に並んで、
一緒に歩く速度を確かめること。

「それはつらかったね」
「そう感じていたんだね」

そう声をかけてもらえたときの、
あの緩む感じを、
自分にも向けていいのだと感じました。

まずは、感じるところから

この本は、
何かを「解決」することよりも、
まずは感じることを大切にします。

身体の違和感。
胸のざわつき。
言葉にならない重さ。

それらを、
良い、悪いで判断せず、
ただ「今はこうなんだ」と受け取る。

それが、
自分との対話の始まりであり、
セルフケアの入り口なのだと思います。

🌷 おわりに

セルフケアとは、
何か特別なことをすることではなく、

自分の中にある声を、
「要するに」で終わらせず、
最後まで聞いてあげること。

そして、
自分に対して独裁者にならなくていいと、
そっと許すこと。

そのやさしい考え方に、
私はとても慰められました。

📖『要するにって言わないで』
 ─ 本当の自分の思いに気づくとラクになる
 尹雄大 著

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