トラウマによる悪夢とは?

クッションがたくさん載っている白いベッドと、ベッドサイドテーブルに載っている光が灯るランプ

私はトラウマ症状の中でも、
「悪夢」に最も苦しみました。

悪夢を見るようになったのは、
辛い環境を離れてから数ヶ月後。

そこから2年近く、
毎晩のように悪夢に悩まされました。

眠ることは、
当時の私にとって休息ではありませんでした。

現実では離れたはずの人たちと、
夜になるたびに再会してしまう。

終わったはずの出来事がよみがえり、
心は毎晩のように過去へ引き戻される。

朝になっても疲れが取れず、
やがて日中の体調にまで影響し始めました。

「今日こそ悪夢を見ませんように」

と、祈る夜を何度も越え、

「この苦しみは永遠に終わらないのではないか」

とさえ思いました。

けれど、あの悪夢の連続は
「終わらない苦しみ」ではありませんでした。

心が過去を処理し、
「回復へ向かうために必要なプロセス」だったのです。

今回は、自分自身の体験を振り返り、
トラウマによる悪夢について、
心理学の視点を交えながら書こうと思います。

もし、同じようにトラウマの悪夢に悩んでいる方がいましたら、少しでも参考になれば嬉しいです。

📖 心理学の視点から見た「悪夢」とは?

(※私は専門家ではありませんが、参考になった内容を紹介します)

① 悪夢は、睡眠中に起きる再体験

悪夢は、
トラウマによって生じる再体験症状のひとつとされています。

再体験とは、過去の出来事が時間を経ても、
繰り返しよみがえる状態のことで、

  • 悪夢
  • フラッシュバック
  • 侵入的な思い出(突然よみがえる記憶)
  • 身体感覚の再現
  • 感情の再浮上

などが含まれます。

現実では安全な場所にいるはずなのに、
夢の中では過去が鮮明に再生され、
恐怖・無力感・悲しみが、
そのまま再現されることがあります。

②「回復の一部」として悪夢が現れる場合がある

そして多くの場合、危険の渦中より
「安全になってから」出てくることがあります。

なぜなら人間は危険の只中では、
「感じること」より「生き延びること」を優先するからです。

脳は一時的に、感情・記憶の処理を後回しにし、
安全が確保されたあとに、
ようやく過去の処理を始めます。

そのプロセスで現れるのが、
時に悪夢という形を取ることがあるのです。

悪夢は苦しい体験ですが、それは、

「心が過去を整理しようとしているサイン」

である場合もあります。

未処理の記憶は、脳内でバラバラに保存されやすく、
夢の中で再統合を試みる過程で、
映像として浮かぶことがあるのです。

「苦しい=戻ってしまった」ではなく、
むしろ回復の途上で出てくる、
自然な反応である場合もあります。

③ 悪夢の内容が必ずしも「現実と同じ」形で現れるとは限らない

トラウマの悪夢は、
出来事そのものが再生される場合もあれば、

  • 追われる夢として現れる
  • 圧迫感や息苦しさとして現れる
  • 似た状況・似た人物が登場する
  • 言葉にならない「感覚」として現れる

など、象徴的な形で現れることもあります。

これは、記憶の断片が処理される途中段階で起きる、
自然な現象と考えられています。

私の場合は、トラウマの回復が進むにつれて、
現実を再現する形から、象徴的な夢へと変化していきました。

✨ 最後に

悪夢はつらい体験ですが、
それは、心が凍ったままになっていた記憶に、
光を当てようとしている過程でもあります。

脳は夢の中で、過去の記憶を何度も揺らし、
少しずつ別の形へと書き換えようとしています。

苦しい夜にも、
その奥には回復の芽が育っているのかもしれません。

私も時間はかかりましたが、
今では悪夢を見ることがほとんどなくなりました。

🌷 このブログについて

このブログ Slowly Surely は、
トラウマ体験や支配的な環境を離れたあと、
心の回復をゆっくりと辿っている
ひとりの当事者としての記録です。

同じような経験をされた方が、
「自分だけじゃない」
と、感じられる場所でありたいと思っています。