トラウマについて調べている中で、
フラッシュバックのしくみと具体的な対処法が、
とてもわかりやすく書かれている一冊に出会いました。
『今すぐできる心の守りかた–フラッシュバック・ケア』
服部信子 著
という本です。
- フラッシュバックとは何か
- なぜ起こるのか
- どう対処すればいいのか
など、専門的な内容なのに、
わかりやすい丁寧な言葉で書かれていて、
読んでいて「そうだったんだ」と理解が深まる本でした。
特に印象に残ったポイントを、
いくつか紹介したいと思います。
① フラッシュバックは「心の弱さ」ではない
本書では、
フラッシュバックは生理的な現象であり
「心の弱さ」ではない。
と説明されています。
フラッシュバックは、
脳が危険から身を守ろうとして
警報を鳴らしている状態
なのです。
ふとした瞬間に、突然フラッシュバックに襲われると、
大きく動揺し疲弊してしまいます。
特に、
自分でコントロールできない状態を繰り返し経験すると、
自分でも自分が嫌になってしまうこともあります。
私自身も、長い間、
「こんなふうに混乱するなんて、自分が弱いのではないか」
と、感じてしまうことがありました。
そのため、
フラッシュバックが起きるのは、心が弱いからではない
ということを知っただけでも、心が楽になりました。
② トラウマは出来事の大きさでは決まらない
本書では、
トラウマ体験となるかどうかは、
その出来事の内容ではなく、その出来事によって圧倒されたかどうか
だと書かれています。
どんな出来事であっても、
神経レベルで圧倒されてしまうと
トラウマになる可能性があるそうです。
そのため、
「そんなことがトラウマになるなんて大袈裟」
などと、安易に他人が決められるようなことではないのです。
たとえ些細なことに思えるような出来事であっても、
トラウマになる可能性はじゅうぶんあります。
③ フラッシュバックの対処の基本
本書では、
フラッシュバックをケアする取り組みは、
まず自分をいたわることから始まる
と説明されています。
フラッシュバックの対処法の基本は
「今に意識を向けること」
例えば
- 周りの景色を見る
- 音に意識を向ける
- 香りを感じる
- 温かい飲み物を飲む
など、五感を使って
「今ここ」
に戻る方法が紹介されています。
フラッシュバックは、
あたかも今現在ここで起きているかのような鮮明さで
激しい感情を伴って過去のトラウマを思い出します。
私の場合、「今ここ」に戻るのは、
簡単ではありませんでした。
けれど、
自分に合った方法を見つけ、
繰り返し練習するうちに、少しずつ
短時間で「今」に戻ってくることができるようになりました。
④ 回復の鍵は「今ここにある安全」を体で感じること
本書の中で、特に印象に残った言葉があります。
フラッシュバックが自然に軽減されていく方と、
そうでない方とのいちばん大きな違いは
「今ここにある安全」を体で感じられるかどうか
という部分です。
「安全」を体で感じられると、
フラッシュバックは終わると書かれていました。
安全だと頭で理解することと、
体が安全だと感じることとは違います。
細胞レベルで圧倒された経験によって
神経は強く緊張した状態になります。
その神経が「安全だ」と感じられるまでには、
時間がかかるのだと思います。
根気強く、
これまで頑張ってきた自分の神経を
労ってあげる必要があるかもしれません。
⑤ フラッシュバックはよくなる
この本の中で、
私がいちばん励まされたのは、
フラッシュバックは、脳の働きからくるものなので
ケアを続けることでアップデートされていく
と書かれていたことです。
筋トレのように、
少しずつ練習を重ねていくことで
回復していくと説明されています。
実際に私も、
本書で紹介されている方法を色々と試し、
自分に合った方法を見つけ、
繰り返し練習したことで、
フラッシュバックの頻度が減り、
「今ここ」に戻る時間も早くなってきました。
✨最後に
フラッシュバックに悩んでいるとき、
「どうしてこんなことが起こるんだろう」
「なぜ自分はこんなに弱いのだろう」
そんなふうに思ってしまうこともあるかもしれません。
でもこの本を読むと、
フラッシュバックは心の弱さではなく、
脳の自然な反応なのだと理解することができます。
そして、
フラッシュバックは
ケアによって少しずつ軽くしていくことができます。
具体的な方法も詳しく紹介されているので、
自分に合うものを見つけて取り組むことができます。
本書は、
フラッシュバックに悩んでいる方にとって、
とても心強い一冊だと感じました。
必要とされている方に、
この本の言葉が届きますように。
そして、
フラッシュバックに悩み、
ここを訪れてくださった方が、
穏やかな日々を取り戻せますように。
心からお祈りしています。
