トラウマのあと、なぜ同じ悪夢を見るのか|再体験症状という心の反応

大きな木が両側にある小道に光が射している様子

トラウマ症状が酷かった頃、
私は「責められる夢」をよく見ていました。

現実に起きた状況がそのまま夢に現れ、

何をしても認めてもらえない。
話を取り合ってもらえない。
そして、ただ一方的に責め立てられる。

体は硬直したまま動けず、
泣きながら目が覚めることもありました。

「夢なのに、どうしてこんなに苦しいんだろう」

そう思うほど、
夢と現実の境目が曖昧になってしまう夜もありました。

これは、ただの「嫌な夢」ではなく、
心が当時の状況をそのまま再現してしまう、
再体験という反応でした。

📖 再体験症状としての「悪夢」とは?

(※私は専門家ではありませんが、調べた範囲で参考になった内容を紹介します。)

① 再体験症状としての「悪夢」とは

トラウマを経験すると、
その出来事や感情が完全に処理されずに
残ってしまうことがあります。

そのため、睡眠中でも、
当時の記憶や感情が「今起きていることのように」よみがえり、
フラッシュバックに近い形で夢に現れることがあります。

夢は本来、
記憶や感情を整理するための作業なのですが、
トラウマが強い場合、
整理しきれなかった感情がそのまま夢に流れ込み、
その場面から抜け出せないように感じることがあります。

② 「夢の中で何度も同じ場面に戻される」ことの意味

多くのトラウマ経験者が、
同じテーマの悪夢をくり返し見ると言われています。

これは、脳の中に残っている未処理の記憶や感情が刺激され、

  • あの時の出来事は何だったのか
  • あの場面は本当に安全だったのか
  • そして、今は安全なのか

などと、
どうにか整理しようとする動きが重なって起こります。

けれど、トラウマ記憶の負荷が強すぎると、
整理できるどころか、脳が再びその場面に戻してしまい、
同じ場面が何度も繰り返されるように感じることがあります。

これは、脳がまだ安心できず、
過去と現在をうまく切り分けられない状態にある、
とても自然な反応です。

③ 無力感・凍結(フリーズ)反応について

夢の中で体が動かなかったり、声が出なかったり、
私のように、ただ責められる側に立ち尽くしてしまうのは、
「フリーズ反応」と呼ばれる心の防御反応に近いものです。

フリーズ反応とは、

  • 逃げることも戦うこともできない
  • 相手に圧倒される
  • ただその場に固まってしまう

という、身体が危険から身を守るために、自動的に起こる反応です。

現実で体験した「無力感」が強いほど、
その感覚が夢の中でも再現されやすくなります。

夢の中で

「言い返せない」
「動けない」
「ただ責められてしまう」

というのは、心が弱いからではなく、
当時の自分が選ぶしかなかった最善の反応が、
今も残っているだけ なのです。

✨最後に

被害者として苦しむ夢は、とてもつらいものです。

でも、それは心が壊れてしまったのではなく、

  • 処理しきれなかった記憶
  • 安全を確認しようとする脳の働き
  • 当時の無力感やフリーズ反応の残り

が重なって起きる、回復の過程の中で見られることのある、
自然な心の反応のひとつです。

夢の中で苦しむのは、
当時の状況をただ生き延びようとしていた自分の
延長線上にある反応なのです。

そのことを知るだけでも、
少し心が軽くなるかもしれません。

🌷このブログについて

このブログ Slowly Surely は、
トラウマ体験や支配的な環境を離れたあと、
心の回復をゆっくりと辿っている
ひとりの当事者としての記録です。

同じような経験をされた方が、
「自分だけじゃない」
と、感じられる場所でありたいと思っています。